にほんご書店そうがく社
日本語
能力試験
ISBN9784757418578

耳から覚える日本語能力試験 語彙トレーニングN3


出版社 アルク
著者 安藤栄里子, 惠谷容子, 飯嶋美知子
価格 \1,800+税
体裁 26cm 223頁 CD1枚付

【解 説】
 「耳から覚える」シリーズの旧版にはなかった「語彙」が新試験対応のN3レベルとして登場しました。収録された880語の語彙がN3レベルとして選定された基準は明示されていません。既刊の「文法」では、指導経験で培った学習者の運用習熟度を物差しの一つにしていましたが、語彙については、日本語教育界全体として体系的な学習・指導方法は確立されているとはいえず、共通の尺度としては無理があります。本来ならば日本語母語話者の使用頻度に加え、理解と使用の両側面から、その語彙の親密度を判断し、それに学習習熟度を加味するのが妥当な選定方法だと私は考えます。でなければ妥当性は、本試験の実施を待つほかはないことになります。それゆえに、本書を貫く精神が理解と使用の両面を考えた語彙の習得に落ち着いたのではないかと推測します。
 本書の内容ですが、語彙は品詞ごとのユニットとして整理されています。各語彙には英・中・韓国語の訳がつけられ、例文のほか、類義・対義語、連語や複合語などの情報も盛り込まれています。また、語彙を場面や概念のシソーラスとしてまとめたコラムが22差し込まれています。練習問題は、各ユニットに2種類用意されています。1つが新試験対応の形式による練習問題で、もう1つは本書オリジナルの形式をとった練習問題です。このオリジナル形式の練習問題には、品詞別分類の特徴を生かした練習が盛り込まれていますが、既刊の「文法」にあったディクテーションによる短文完成練習はありません(付属のCDは、見出し語の語彙と例文が収録されているだけ)。「語彙」は、新試験で重視される「読む」・「聞く」の技能を支える、文法と肩を並べる重要で、基本的な知識として位置づけられます。にもかかわらず、なぜ「文法」と同じようにディクテーション練習を採用しなかったのか、と不満が残ります。